働きがいにつながる人事インフラの整備

Establishment of a personnel infrastructure to provide job satisfaction

三陽商会は、多様な経験と価値観を有する従業員が互いに尊重し、時間や場所にとらわれず、働くことのできる職場環境の整備、企業風土の醸成に取り組みます。すべての従業員が当社で働くことに誇りを持ち、自ら意欲的に成長し貢献したいと考える強い組織へと進化していくために、従業員のエンゲージメント向上を促進していきます。

また、ジョブローテーションと多様な背景を有する人材の補充を行い、事業活動に必要な組織定数を踏まえ、全社最適の人材ポートフォリオを整備します。

女性活躍推進

当社は、多様なバックグラウンドを有する従業員の能力の最大化を支援し、それぞれが活躍できる環境を整備しております。その取り組みの一つとして女性活躍を推進し、「キャリア開発」「管理職育成」「就業継続支援」という三つの観点で様々な施策を実行します。

既成概念にとらわれずに自分のキャリアビジョンを描き、それを実現する為の能力開発を中心とした研修等を実施し、管理職候補者の育成を行うことにより2026年度までに女性管理職比率20%を目指します。

女性活躍推進法に基づく行動計画と進捗状況

当社は、2016年4月1日施行の女性活躍推進法「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」に基づき、一般事業主行動計画の策定と情報の公表を行ってきました。

計画期間

2021年4月1日 ~ 2026年3月31日

定量目標

管理職に占める女性の割合を20%以上にします。

  2023年度 2024年度 2025年度 2026年度
目標
女性管理職比率 9.4% 9.3% 14.9% 20%

その他女性の活躍に関する情報

採用した労働者に占める女性従業員の割合(中途採用者含む)

  2023年度 2024年度 2025年度
女性採用比率 65.9% 60.0% 63.0%

男女の平均勤続年数

  2023年度 2024年度 2025年度
男性 17.0年 16.9年 17.3年
女性 14.0年 14.1年 14.5年

男女間賃金格差の改善

当社は、男女間賃金格差を人的資本経営施策の効果を示す指標の一つと位置づけるとともに、その変動要因となる職位構成や管理職比率等を将来の改善につながる先行指標として重視しています。当社の男女間賃金格差は、賃金制度そのものではなく、職種構成(職種間の賃金格差含む)、管理職比率、就業形態といった複合的な構造要因の結果として顕在化するものであり、当社ではこれらを一体的にモニタリングしています。

2025年度の男女間賃金格差は全社ベースでは72.2%ですが、職種別に分解すると、総合職77.4%、専門職85.7%、一般職100.7%、正社員販売職87.6%という結果でした。直近の男女間賃金格差については、女性比率の高い正社員販売職においてインセンティブ制度及び各種手当を拡充したことが主な変動要因となっており、当該職種では前年度比で改善が見られています。一方、総合職及び専門職については賃金水準に大きな変動はなく、全社ベースの賃金格差は引き続き職位、及び人員構成の影響を受ける状況にあります。

当社の男女間賃金格差の主な要因は、総合職における女性管理職の比率、育児・介護等との両立を背景とした時短勤務制度の利用状況(女性社員全体の約2割)、及び職種間の女性比率の違いにあります。これらは、平均労働時間や職位構成を通じて賃金水準に影響を与えるものであり、性別による賃金差別的な取扱いが存在するものではありません。 こうした認識のもと、当社では、女性管理職比率の向上や職位構成の是正を先行指標として位置づけ、計画的な女性管理職の育成・登用を進めるとともに、柔軟な働き方制度の利用者に配慮した配置運用の見直しを進めています。

当社は今後も、正社員販売職における処遇改善など短期的に顕在化する施策と、管理職構成を中心とした中長期的な人員構成の改善の両輪で取り組みを進め、男女間賃金格差を人的資本経営施策のアウトカム指標として活用しながら、持続的な人的資本経営の改善につなげていきます。

  • 平均賃金には、基準賃金のほか時間外勤務手当等の基準外賃金及び賞与を含んでいます。

全体

  2023年度 2024年度 2025年度 2026年度
目標
男女間賃金格差 68.9% 69.9% 72.2% 72.0%
  • 男性を1とした場合の女性の割合

雇用形態別

  2023年度 2024年度 2025年度
正規社員 68.3% 69.1% 71.8%
非正規社員 82.2% 83.3% 82.9%
  • 男性を1とした場合の女性の割合

職種別

  2023年度 2024年度 2025年度
総合職 79.8% 77.4% 77.4%
専門職 84.1% 85.7% 85.7%
一般職 101.5% 100.0% 100.7%
正社員販売職 87.9% 85.1% 87.6%
  • 男性を1とした場合の女性の割合

育児休業取得の促進

仕事と育児の両立支援プログラムに沿って育児休業取得を支援し、従業員に子育て支援への理解を促進しています。

改正育児介護休業法の施行にあわせて、2022年4月に社内相談窓口を設置し、同年10月に育児支援制度規程を改定するとともに法改正のポイントについて全従業員へ周知徹底を図っております。

今後も従業員の育児と仕事の両立の実現に向けた人事インフラを整備することを継続し、より一層、従業員の育児支援に取り組むとともに、男性の育児休業取得率の向上を目指します。

  2023年度 2024年度 2025年度 2026年度
目標
男性の育児休業取得率 25.0% 100% 100% 100%
女性の育児休業取得率 100% 100% 100% 100%
  • 配偶者(扶養)もしくは本人が出産した社員に対して育児休業を取得した割合

ワーク・ライフ・バランスの推進

当社は、多様な働き方や家庭と仕事の両立を支援する制度を整備し、従業員がより柔軟な働き方を選択できる環境を整えています。これらの制度を活用することを通じて、全ての従業員が業務効率・労働生産性の向上を図ることを支援し、仕事と生活の調和を実現した働きがいのある職場環境づくりを推進していきます。

施策 制度 概要
多様な働き方の支援 在宅勤務 半日有休、育児及び介護短時間勤務やフレックスタイム制度との併用可
フレックスタイム 柔軟な働き方を促進するためにコアタイムを設けないフレックスタイム制(8:00~20:00の間)
半日有給休暇 年次有給休暇を半日単位で取得可
再雇用 定年退職後の希望者は1年ごと(更新)の労働契約
副業 上長との面談を経て申請許可
家庭と仕事の両立支援 産前・産後休暇 産前8週間(多胎妊娠の場合14週間)、産後8週間取得可
育児休業 本人もしくは配偶者が産後休暇終了後、子どもが満2歳に達する日の前日(最長)まで取得可
育児短時間勤務 子どもが小学校3年生終了時までに実働時間から最大1.5時間短縮可
子の看護休暇 未就学の子どもがいる場合、1年間(1月1日より12月31日まで)につき5日(対象となる子どもが2人以上いる場合は10日)を限度として取得可
介護休業 1年以内(介護休業開始予定日の翌日から起算して1年を経過する日まで)の範囲で申請期間の取得可
介護短時間勤務 原則として1回につき1ヶ月以上1年以内の範囲で、所定労働時間について30分単位で1時間を限度に短縮可

障がい者雇用の取り組み

当社は障がいの有無に関係なく、誰もが働きやすい活気ある職場を目指し、職場環境を整えることによって、障がい者の雇用、能力発揮する機会の提供、職場定着化を図っています。

社内研修や定着面談を継続的に開催しながら「障がい者雇用の理解促進」を進めています。

  2023年度 2024年度 2025年度 2026年度
目標
障がい者雇用率 2.05% 2.36% 2.39% 2.7%

外国人雇用の取り組み

当社は、多様性確保と生産性向上の観点から、外国人人材の積極的な採用を行い、多様な価値観を商品開発、販売サービスに取り入れ、企業価値の向上につなげていきます。

  2023年度 2024年度 2025年度 2027年度
目標
外国人雇用率 0.96% 1.05% 0.97% 3.0%

従業員エンゲージメント向上への取り組み

当社は、エンゲージメント向上を重要な経営課題の一つと位置付け、人事施策及び組織運営の高度化に取り組んでおります。定期的に実施するエンゲージメントサーベイでは、「企業と従業員の結びつき」及び「相互の信頼関係」の強さを定量的に把握し、組織の状態や課題を可視化した上で、改善施策の立案及び実行につなげております。

エンゲージメントスコア・総合満足度の推移

  • 調査会社 平均50スコア
  • 領域ごと5段階
当社はエンゲージメントサーベイの結果をもとに、組織課題を全社・職場・個人の3つの観点から整理し、重点的に取り組んでいます。

現状の課題

  • 1.全社:階層別のギャップ(管理職層と非管理職層)
    管理職層と非管理職層との間でエンゲージメントに一定の差が見られました。背景には、事業戦略や会社の方向性に関する情報の理解、浸透の違いがあると考えられます。特に30代後半の総合職群における非管理職層において、経営戦略や事業方針への理解度に一定の課題があることを特定しました。
  • 2.職場:チーム間のギャップ(課単位)
    エンゲージメンスコアが改善し、高スコアの組織も増加傾向ですが、依然として低スコア組織が存在し、職場ごとに異なる課題への個別対応が求められていると考えられます。
  • 3.個人:個人の期待度・満足度のギャップ
    従業員において、受け身の姿勢が先行し、自らの行動変化につながりにくい傾向が見られました。これは、業務への主体的な関わり方や、自身の役割認識をさらに深めていくための支援が必要であることと認識しています。

今後の主な取り組み方針

  • 1.全社:戦略や方針に関する理解・浸透の強化
    経営方針や事業計画に関するタイムリーな社内発信をし、経営層と従業員の対話を強化しています。(社長と話す会等)
    また、30代後半の総合職群における非管理職層との対話の機会を拡充し、経営戦略や事業方針の背景及び意義を丁寧に共有する取り組みを強化していきます。あわせて、キャリア形成や役割認識に関する施策を通じて、主体的な関与意識の向上を図ります。具体的には、上長によるキャリア面談を通じた期待役割の明確化に加え、社内プロジェクトへの選抜による視座の向上、次世代育成施策への参画を通じた次期管理職層としての意識転換等に取り組んでいきます。
  • 2.職場:組織別の課題改善の強化
    組織ごとに管理職と人事部による改善ミーティングの定例化、個別面談・支援の実施の取り組みにより、相対的にエンゲージメントの低い組織における改善を進めています。
  • 3.個人:従業員一人ひとりの役割認識の強化
    キャリア開発の一環として、上長との1on1ミーティングを通じて役割期待や目標を明確にし、能力開発や育成につなげています。

これらの取り組みについては、次回以降のサーベイ結果を通じて効果検証を行い、継続的な改善サイクル(PDCA)として定着させてまいります。課題認識と改善活動を通じて、従業員一人ひとりのモチベーション向上と主体的な成長を促進するとともに、経営戦略の実行力を高め、企業価値向上に資する強固な組織基盤の構築を目指してまいります。

指標と目標

2026年度目標として設定していた「従業員エンゲージメントスコア10ポイントアップ(2019年度比)」を2023年度のエンゲージメントサーベイ調査において達成致しました。

エンゲージメントスコアの上昇と労働生産性の向上に相関関係が認められていることから、当社は今後のKPIを「従業員エンゲージメントスコア55.0(2027年度)」に再設定し、より一層のエンゲージメントの向上を目指します。

これまでの実績と目標

  2022年度 2023年度 2024年度 2025年度 2027年度
目標
エンゲージメントスコア 43.0 50.8 51.9 48.1 55.0
エンゲージメントスコアレーティング CC B B B BBB

参考:エンゲージメントスコア/レーティング換算表

  • 組織における"ものさし"となる「エンゲージメントスコア」=「企業と従業員の結びつき(信頼関係)」の強さを数値化したものを指標評価段階としてAAA~DDまで11段階で表しています。

社長と話す会

従業員エンゲージメントプログラムの一環として、全国の中堅・若手社員との直接対話を実施しています。

経営トップからメッセージを伝えると共に参加者からの意見を聞く、双方向のコミュニケーションの機会を作り、経営トップと従業員の相互理解を深め、会社と従業員の結びつきをより強固なものとすることで、従業員エンゲージメントを向上させることを目的としています。

また、ディスカッションテーマは設けず、参加者が自由に疑問/質問/提案/要望等を話すことにより、現場社員が抱える課題を抽出し、スピード感を持って改善に取り組んでいます。

実績

2020年度:51組299名

2022年度:46組282名

2023年度:50組300名

2024年度:43組254名

2025年度:37組223名