トップメッセージサステナビリティ

Top Management's Message

代表取締役会長・大江伸治と代表取締役社長・平林義規の写真

当社は、経営理念「ファッションを通じ、美しく豊かな生活文化を創造し、社会の発展に貢献します。」の下、サステナビリティを企業価値向上に向けた重要な社会信頼基盤と位置付けた上で、事業活動を通じた環境・社会課題の解決と持続的成長の両立を目指しています。

気候変動への対応、循環型社会への移行、責任ある調達における人権課題への対応、人的資本経営の推進など、ファッション産業を取り巻く環境・社会課題は、当社の事業継続に重大な影響を及ぼし得るリスクであると同時に、新たな価値創造をもたらす重要な機会でもあります。当社は、これらの課題解決に真摯に取り組み、中長期的な成長に結び付けていくことが、企業としての責務であると認識しています。

斯かる認識の下、当社はサステナビリティ基本方針および環境方針、人権方針、人的資本方針を策定し、「持続可能な地球環境への貢献」「サーキュラーエコノミーへの取り組み」「CSR調達の更なる推進」「人的資本経営の推進」の4つのマテリアリティを特定しています。各マテリアリティに対しては、定量目標を設定した上で、具体的なアクションプランの実行と進捗管理を行っています。アクションプランの実行に際して、従業員一人ひとりが自らの課題として取り組むと共に、サプライチェーン全体に渡る大きな課題については、パートナー企業との協働を進めています。

4つのマテリアリティのうち、特に、「サーキュラーエコノミーへの取り組み」においては、2024年度に当社の3R活動の総称を「SANYO RE: PROJECT」と命名し、リユースを前提とした衣料回収活動と、当社認定リユース品「RE: SANYO」の販売を開始しました。当社はリユース事業を、単なる廃棄物削減の取り組みに留めず、新たな顧客接点の創出や循環型ビジネスモデルの構築につながる重要な事業機会と捉えています。初年度である2024年度から2025年度までの累計実績は、衣料回収点数15万点、リユース率合計99%であり、認定リユース品の販売においても計画を達成しております。2026年度には、新たなKPIとして、回収対象品の前年度生産着数に対する回収割合について2031年度までに10%とする目標を設定しました。 こうした取り組みの根底には、創業者・吉原信之が大切にした「用の美」の思想があります。真に役立つものこそ美しいという考え方は、社是「真・善・美」とともに当社に受け継がれ、長く愛される価値ある商品づくりの原点となっています。私たちは、これを基盤として、循環型社会の実現と企業価値向上の両立を目指してまいります。

また、「人的資本経営の推進」において、当社が目指すブランド価値向上や顧客接点の強化、デジタル活用による事業変革を実現する上では、人材が最も重要な経営資本であると考えています。当社は、人的資本経営をマテリアリティとして特定すると共に、経営戦略と連動した3つの基本方針を策定しました。2025年9月には中期経営計画策定に伴い人的資本経営の重要性を再評価し、マテリアリティ「多様性の尊重と働きがいのある職場づくり」を、より広義なマテリアリティ「人的資本経営の推進」に更新しました。人材育成においては、「ブランドビジネスのプロフェッショナル」「バックオフィスのプロフェッショナル」「IT/DX人材」の育成を通じて個の能力の最大化に取り組むと共に、社内環境整備においては、適材適所の人員配置、働きがいのある制度の整備、企業風土の醸成、自発的な学びの機会の提供等を通じて従業員エンゲージメントを向上させ、個の能力の最大発揮と多彩な知識・経験の糾合によるシナジー創出に取り組んでいます。


マテリアリティに紐づく定量目標とアクションプランについては、サステナビリティ委員会にて進捗をモニタリングしています。サステナビリティ委員会で協議した重要事項については、経営会議で決定・承認を行うと共に、取締役会へ定期的に報告しています。また、マテリアリティおよび各方針については、環境変化や社会要請の進展を踏まえ、年次で見直しを行い、継続的な高度化を図っています。

当社は、長年培ってきたブランド価値と商品企画力、お客さまとの信頼関係を基盤に、サステナビリティを新たな競争力へ転換し、持続的な成長につなげていく所存です。当社は今後も、顧客、従業員、取引先、株主・投資家をはじめとするすべてのステークホルダーのみなさまと価値を共創しながら、持続可能な社会の実現と企業価値向上の双方を追求し、その結果として社会から信頼され、選ばれ続ける企業となることを目指します。

2026年10月

代表取締役会長

大江 伸治

代表取締役社長

平林 義規

社外取締役 村上佳代の写真

社外取締役メッセージ

大江社長のメッセージで触れられている4つのマテリアリティのなかで、特に注目しているのは「人的資本経営の推進」です。

人的資本経営は、「個⼈の持つ⼈的資本(スキル・ノウハウ)を⼗分に発揮するための⼟台を再構築し、サステナブルな競争⼒を創出する経営」と言われています。(注)

三陽商会は今、アパレル企業としてIT/デジタルを活用し、CRM、ECサイト強化、実店舗との相互補完体制の確立等にも取り組んでいます。一方で、IT/デジタルはあくまで道具、手段に過ぎません。それを事業や経営に活用し企業成長させる「人(社員)こそ資本」は、今の当社にとって原点回帰の考え方ではないでしょうか。

「人」という資本は、組織や体制、環境、社内文化の影響を良い方にも悪い方にも強く受けるものです。今、多くの先進企業が「人的資本経営」を課題と認識し、それを意識した取り組みを始めたことに何ら疑問はなく、当社においても来るべき時が来たと言えます。

2024年度に、当社は人的資本経営に関連する指標と目標を11項目策定し、それぞれ目標達成年度を宣言しました。法定指標の「女性管理職比率」をはじめ、当社の人的資本方針に沿った「40歳を迎える新卒総合職社員が3職種、2ブランドに従事している比率」等、アパレル企業として成長する為の独自指標を設定しています。

これらの取り組みを通じて、企業価値向上につなげることを期待するとともに、社外取締役として引き続き支援してまいります。

今後も皆様のご理解とご協力を賜りますことを心よりお願い申し上げます。

注:中央⼤学 島貫智⾏教授,⼀橋ビジネスレビュー2023SUM.より

2025年9月

社外取締役

村上 佳代