「SANYOロールプレイング2025」開催 ~顧客視点の心地よい接客の共有と人材育成の強化~
三陽商会は、人的資本経営の推進に基づく人材育成の一環として、「SANYOロールプレイング2025」を9月25日(木)三陽商会本社(東京都新宿区)にて開催しました。
「SANYOロールプレイング」は、2024年度より開催している研修プログラムです。全国の販売員が当社のサービス理念「SANYOサービスポリシー」に基づいた接客スタイルを習得し、接客サービスの質を向上させることを目的としています。開催2年目となる今年は「感じの良い接客」をテーマに、顧客視点での心地よい対応に焦点を当てました。予選を通過した11名の代表者による接客ロールプレイングは、1年間で実施した研修の成果が随所に見られ、昨年を上回るレベルの内容となりました。これらの模範的な接客内容を動画で撮影し、今後の研修教材として全国の販売員の学びの場に活用します。
当社は、この取り組みと並行して、「S. BASE」研修制度(※1)の拡充やエキスパート販売員制度(※2)の強化を進めています。これらを通じて販売員の専門性を高め、評価制度を充実させることで、お客様満足度のさらなる向上を目指しています。

(※1) 当社の販売サービス向上を目的に、2024年4月に発足した全社研修制度。詳しくは資料下部に記載。
(※2) 販売のプロフェッショナル育成を目的に、2023年度に発足した認定制度。詳しくは資料下部に記載。
■背景と経緯
三陽商会は、2023年9月に経営会議直轄の「人的資本プロジェクト」を立ち上げ、その傘下に「接客力向上ワーキンググループ(以下WG)」を発足させました。このWGを通じて、全社研修制度の整備などプロフェッショナルな販売員の人材育成における課題解決に取り組んでいます。2025年4月に公表した中期経営計画策定に伴い人的資本経営の重要性を再評価し、9月にマテリアリティ「多様性の尊重と働きがいのある職場づくり」を、より広義なマテリアリティ「人的資本経営の推進」に更新しました。この更新により、人材育成をより戦略的・包括的に推進し、販売員の専門性向上と顧客満足度の最大化に向けた取り組みを一層強化しています。
当社の接客力向上を目的とした取り組みは、2010年に「ロールプレイングコンテスト」としてスタートし、2017年より「全国ロールプレイング研究発表会」へと発展しました。コロナ禍により一時中断していましたが、2024年に「SANYOロールプレイング」と冠し新たな形で再開、今年で2回目の開催となりました。
■目的・ねらい
「SANYOロールプレイング」は、全国の販売員が当社のサービス理念「SANYOサービスポリシー」に基づいた接客スタイルを習得し、接客サービスの質を向上させることを目的としています。代表出場者の接客ロールプレイング内容を動画で撮影し、研修教材として活用しています。これにより「SANYOサービスポリシー」を軸とした接客スタイルを全社で共有し、接客力の向上につなげています。
本取り組みは従来のコンテスト形式とは異なり、優秀な販売員の接客ロールプレイングを動画で全社共有する学びの場となっています。これにより、高品質・高付加価値な商品にふさわしい接客スタイルを確立し、販売員が互いに学び合う文化を醸成しています。さらに、日常的に接客スキルを高める習慣づくりを推進していきます。
当社は、全従業員が顧客起点、現場起点での意識を統一し、「SANYOサービスポリシー」
を策定しております。
一、私たちは すべての事業活動を「お客様」のためのものと考えます
一、私たちは 「お客様」に喜んでいただくために存在します
一、私たちは 「お客様」に誠実に対応します
■「SANYOロールプレイング2025」 内容
「SANYOロールプレイング2025」開催にあたり、予選として、当社の各ブランド・エリアから「SANYOサービスポリシー」を体現している販売スタッフ計28名を選出し、接客ロールプレイング動画を撮影。提出された動画を基に「接客力向上WG」メンバーによる厳正な審査を経て、予選を通過した11名が代表者として、9月25日(木)に開催された本選に臨みました。
代表者11名の内訳は、入社2年目~21年目、年齢は20代~60代、エリアマネージャー1名、店長3名、エキスパート販売員1名、販売員6名と多様な経験と役職から選ばれ、それぞれの視点から磨き上げられた接客スキルが披露されました。
本選では、実際の接客シーンを想定した8分間のロールプレイングを実施。代表者たちは、会場に集まった多くの社員を前に、「感じの良い接客」を実演しました。昨年の開催で得られた気づきや、この1年間で実施した研修の成果が随所に見られ、より自然で温かみのある接客や、お客様の潜在ニーズを引き出す質問力など、レベルの向上が感じられる内容となりました。模範例となる接客ロールプレイングを共有することで、販売職だけではなく全職種の社員が当社のサービス理念である「SANYOサービスポリシー」について再確認する場ともなりました。
各発表後には役員や外部講師からフィードバックが行われ、最後には、代表取締役社長大江伸治が総括を述べました。代表者の発表について「非常に行き届いたレベルの高い接客」として評価し、「ファッションアドバイザー」として販売員に求める要件や、顧客戦略の推進や後進の育成についても言及し、代表者たちの今後の活躍に期待を寄せました。
・接客ロールプレイング発表の様子
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ポール・スチュアート 三越日本橋店 諏訪部 綾香 エリアマネージャー(右) -
マッキントッシュ ロンドン 伊勢丹新宿店 内田 颯樹(右)
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エポカ 伊勢丹浦和店 小川 幹子 エキスパート販売員(左) -
ストーリー アンド ザ スタディ ミッドタウン日比谷店 勝部 太郎(左)
■研修制度「S. BASE」の進捗と新たな取り組み

三陽商会は、「接客力向上WG」を中心に研修制度の見直し・整備にも取り組んでおり、2024年4月より、当社の販売サービス向上を目的とした全社研修「S. BASE(サンヨーベース)」を実施しています。
「S. BASE」は、当社の販売員としての考え方や基本的な知識を学ぶ「スタンダード研修」と、より専門的な知識やスキルを習得するための「アドバンスド研修」から成り、「スタンダード研修」については全国約2,200名の販売員を対象とし、2年以内に全員が受講することを目標にしています。接客スタンダード研修は初年度に1,514名が受講、うち販売員は2,200名中1,333名が受講を完了しました。研修内容を日々の業務で実践するべく、社内および店頭へのさらなる浸透を図っています。
2025年度には、工場研修、骨格・カラー知識研修を新設し、研修動画を配信するなど、引き続き販売員の専門知識向上に取り組んでいます。これらの取り組みを通じて、三陽商会は販売員の専門知識と接客スキルの向上を図り、お客様満足度のさらなる向上を目指しています。
1. スタンダード研修
① 接客スタンダード研修 ・・・ 当社の販売員として身につけるべき基本的な考え方(SANYOサービスポリシー、SANYO
サービスベーシック、SANYO接客スタイル)を学び、接客ロールプレイングにより実践形式で習得する研修
② 知識スタンダード研修 ・・・ 基本的な素材・VMDの知識、店頭マーケティングツールを学ぶ研修
③ 【新設】 工場研修 ・・・ 製品の企画から出荷までの一連の工程を動画で学び、商品知識と品質への理解を深める研修
2. アドバンスド研修
① PO(パターンオーダー)研修 ・・・ パターンオーダーについてスーツの基本、採寸の基本を学ぶ研修
② 【新設】 骨格・カラー知識研修 ・・・ 骨格・カラー診断の基礎知識と実践的な接客への活かし方を学ぶ研修
■エキスパート販売員制度の拡充
当社は、研修制度や登用制度に並ぶ販売員育成の一環として、2023年度より高度な販売ノウハウと豊富な経験を有する販売員を「エキスパート販売員」として認定する制度を開始しました。各売場の売上やその他の目標の達成に貢献し、店頭での販売業務において高い専門性(販売力)を保有・発揮し、他の模範となるプロフェッショナルな販売員を「エキスパート職」として認定しています。2025年度までに全国の売場より25名を認定し、販売のプロフェッショナル育成に取り組んでいます。

今年度は、「社長と話す会」(※3)での提案を受け、エキスパート職認定者の誇りとモチベーション向上を目的に「SANYO EXPERT」の文字入りバッジを作成し、2023年度から2025年度までの認定者に進呈しました。このバッジは認定回数によって色が変わり、5回の認定で殿堂入りとなります。エキスパート販売員制度は、販売員のキャリアパスを明確化し、プロフェッショナルとしての成長を促進するとともに、お客様にさらに質の高い接客サービスを提供することを目指しています。

(※3) 社長と社員の直接のコミュニケーションを通じて全社方針の理解促進と社内の意思統一を図ることを目的に2020年より開催。経営トップからのメッセージ伝達と、社員からの意見・提案を受け付けるディスカッションの場となっている。
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