本年度からスタートする服育授業にさきがけて、社会で働くことの意味や目的を実際に社会で働く大人の話を聞くキャリア学習の授業を文京区駒本小学校の6年生の生徒さんに実施しました。
当日はプリングルデザイナーの興五澤さんとパタンナーの森部さんがそれぞれのお仕事の話をしました。
デザイナーの興五澤さんはデザイナーの仕事のプロセスである、①テーマを考える ②生地や色を考える ③テーマとスタイリングを考える ④デザイン画に落とし込む作業をイメージボードや生地スワッチや付属帳を用いて説明しました。 パタンナーの森部さんはシャツが何枚のパターンからできているか?パターンを見せてなんのアイテムのパターンか?を生徒さんに質問しながらパタンナーの仕事の説明をしました。
その後、2人は実際に会社でやっているようにシーチングのトアルチェックを実演しました。
シャツのトアルで肩をあげて胸をきれいにみせたり、ウェストを絞ってほっそりさせたり、ポケット位置を変えたりした後、それにあわせてジャケットの修正をするなど、針とテープでささっと器用に修正していく様子を生徒さんたちはみんな前のめりになってみていました。
生徒さんたちは生地をさわったり、プロの描くデザイン画や付属の見本帳に感動したり、どのデザインが好きかとか嫌いとか品評したり、みんな目を輝かせて45分の間ひと時も集中力が途切れることなく聞いていました。
生徒さんからもたくさん質問がありました。
☆シャツの生地はいくらですか?
☆毎日何時まで仕事していますか?
☆60歳になってもデザイナーの仕事はできますか?
☆仕事に期日はありますか?どのくらいでデザイン画を描きかすか?
☆期日までにできあがらなかったらどうなりますか?
☆使っているパソコンはマックですか?ウィンドウズですか? などなど。
シャツの生地の値段については、安いものから高いものまであり、値段の違いは糸の違いで、安いものは洗濯するとダメになるけど高い生地は10年着れるという説明はとてもわかりやすくていい話でした。 また、60歳になってもデザイナーはできるか?という質問は60歳になってもクリエイティビティは続くのか?と聞かれたような気がしてドキッとしました。
子供たちの気持ちになって俯瞰してファッションの仕事をみてみると、あらためて洋服づくりって面白い仕事だと思い、服に携わる仕事をしていてよかったなあと感じました。
後日、学校より連絡がありキャリア授業を受ける前は1名だったデザイナー志望の生徒さんが、キャリア授業をうけた後、デザインやモノをつくる仕事に携わりたいという生徒さんが6名に増えたと伺い、涙がでるくらい嬉しくなりました。
いつの日か本当にデザイナーになった駒本小学校の生徒さんに再会する日を楽しみにしつつ、これからもいろいろな学校でキャリア学習を続けていきます!